Cozre Report
調査レポート

2019年10月の消費税増税に対し、幼児教育・保育無償化やキャッシュレスポイント還元などの恩恵を受けているかどうかが賛否の分かれ目?


1.はじめに

2019年10月1日より消費税が10%に引き上げられ、飲食料品や新聞など軽減税率の対象となった物も一部ありましたが、この増税についてはニュースなどでも大きく取り上げられました。一方、増税のタイミングで「幼児教育・保育無償化」や「キャッシュレスのポイント還元策」など、子育て世帯にはメリットがある制度も始まりました。そこでコズレでは、子育て世帯に対し「増税に対する賛否」や「幼児教育・保育無償化が家計や今後の働き方に与えた影響」、「キャッシュレス・電子決済の利用状況」などについて調査を実施しました。分析結果とともにご報告いたします

2.調査

調査主体 :弊社コズレ子育てマーケティング研究所
調査方法 :インターネットリサーチ
調査対象 :妊娠中または子どもがいるママパパ
調査期間 :2019年10月31日(水)~2019年12月2日(月)
有効回答者数 :2667

3.トピック

・増税前であることを理由に購入した物は、第1位「消費する育児用品」で42.4%

・増税後に以前よりも節約している人は約2割

・幼児教育・保育無償化やキャッシュレスのポイント還元策などの恩恵を受けている人は、増税に対して「賛成」の割合が高い

幼児教育・保育無償化の対象者で、子育てにかかる費用が減ったのは36.1%

・幼児教育・保育無償化の対象者で、子育てにかかる費用が減った人の約7割は、減った分を「貯金」

・キャッシュレス・電子決済は、年代が高いほど利用率が高い

・キャッシュレス・電子決済の利用率が一番高いのは「東北」、利用頻度が一番高いのは「関東」

・キャッシュレス・電子決済を利用した理由は「ポイントが付与・還元されお得だから」が第1位で82.9%

・電子マネー・スマートフォンで利用したことのあるキャッシュレス・電子決済のサービスは、第1位が「PayPay」で43.2%

4.結果・考察

増税前であることを理由に購入した物は、第1位「消費する育児用品」で42.4%

2019年10月1日より消費税が増税となりましたが、それ以前に増税前ということが理由で購入した物は何かと伺ったところ、第1位が「消費するする育児用品」で42.4%第2位が「消費する生活用品」で32.7%第3位が「高額な育児用品」で19.5%という結果になりました(図1)。子育て世帯においては、増税前に家電製品などよりも育児用品を購入した家庭が多かったようです。第一子の年齢別に見てみると、消費する育児用品を購入したと回答した方の割合は、0歳(0~5ヶ月):57.5%、0歳(6~11ヶ月):63.9%、1歳:66.2%、2歳:58.2%と、特に2歳以下のおむつを多く消費する年齢の子どもがいる方に限ると約6割の世帯が増税前に購入したことになります。

201911_調査図1

増税後に以前よりも節約している人は約2割

増税後にそれ「以前よりも節約していることがある人」は22.7%でした(図2)。具体的に節約していることを伺ったところ、「外食を控える」「テイクアウトにする」など軽減税率を意識して節約している方や、「キャッシュレス」「クーポン」をうまく活用し、「特売日」「ポイント〇倍の日」を狙ってまとめ買いをするなど、工夫している方が多くいらっしゃいました。

そして、「電気、ガス、水道代金の節約」、「洗濯物を回す時はすすぎ一回でいい洗剤を選び水道代の節約」など「光熱費」を節約する方や、「服を購入する際にも一度時間をおいて必要かどうか吟味してから購入」など「服飾費」を抑えたり、「今まで買っていた有名な化粧品をやめた」など「美容費」を抑えたりする方。さらに、「旦那のお酒を第三のビールに」や「旦那にタバコをやめてもらった」など「お酒」「たばこ」などの嗜好品を減らした方も。中には、お酒ということで「酒類が高いのでみりんなどはみりん風などの表示のものをしっかり確認して購入する」、「みりんの使用量など気をつけている」というコメントもありました。また、「紙おむつが軽減税率ではないので、晴れている日はできるだけ布おむつを使用し紙おむつの消費を抑えている」や「子どものおむつを以前使っていたものよりも安価なものに変えた」など子育て世帯ならではのコメントも寄せられています。

201911_調査図2

幼児教育・保育無償化やキャッシュレスのポイント還元策などの恩恵を受けている人は、増税に対して「賛成」の割合が高い

2019年10月に消費税が増税となったと同時に、「幼児教育・保育無償化」や「キャッシュレスのポイント還元策」など、子育て世帯にメリットがある制度も始まったことなども含め、増税について賛成か反対かをうかがいました。 全体では、賛成50.3%、反対49.7とほぼ同数という結果に(図3)。ただ、幼保無償化の対象者か非対象者か、キャッシュレスの利用者か非利用者かで見てみると、それらの恩恵を受けている人ほど「賛成」する人の割合が高くなりました。幼保無償化の対象者では「賛成」が55.5%、キャッシュレス・電子決済の利用者では「賛成」が52.5%(図4)。幼保無償化の対象かつキャッシュレス・電子決済の利用者に限ると、「賛成」の方は58.3%になります。

賛成派の方からは、「使い道を明確にしてくれているので増税も仕方ないことだと思う。将来を担う子ども達を育てる為の投資だと思って増税には賛成」「もともと生活費はクレジットカードで精算することが多かったのでキャッシュレス還元はとても嬉しい。消費税10%になるのは大きいですがいずれなる事だと思っていたので、そこまで反対するようなものでもないと思ったので賛成」などのコメントが寄せられました。

一方、反対派の方からは「赤ちゃんに必要な紙おむつなどは、消費税が上がってしまったから。保育無償も利用することがないので、実感がわかない」、「幼児教育無償化になったけど給食費の支払いで損している」、「消費税を増税しても防衛費などが増やされ本当に国民の生活のためになっているか分からないから」などのコメントが寄せられています。

201911_調査図3

201911_調査図4

幼児教育・保育無償化の対象者で、子育てにかかる費用が減ったのは36.1%

2019年11月時点では、幼保無償化の対象になっているのは、アンケートに回答いただいたコズレ会員の約2割でした(図5)。幼保無償化の対象者に「子育てにかかる費用が減ったか」を尋ねたところ、「減った」と回答した方は36.1%、一方「変わらない」は61.6%と結局のところ変わっていない方が多数派です(図6)。その理由については、今後の調査で明らかにしたいと考えています。

201911_調査図5 201911_調査図6

幼児教育・保育無償化の対象者で、子育てにかかる費用が減った人の約7割は、減った分を「貯金」

子育てにかかる費用が「減った」と回答した方に、その分のお金の使い道を聞いたところ、「貯金」が一番多く72.5%(図7)。今使うよりも、将来のためにと考えている人が多いことが分かる結果となりました。

また、「幼保無償化は、自身の今後の働き方に対する考え方に何らかの影響を与えたか」についてもうかがったところ、「影響があった」という方は18.3%(図8)。影響があったと思う方のコメントとしては、「パートをしてもその給料が子供の保育代に代わると思うと、働く意味はあるのかなぁと思っていましたが、無償の対象になるのならパートでも働きたいと思います」、「無償の園に入れたいと思うようになった。まだ保活を始めていないけれど、倍率が上がるのかもしれないから予想よりも早く始めないといけないのではないかと思います。仕事復帰が早まるかも。」などがありました。

201911_調査図7 201911_調査図8

キャッシュレス・電子決済は、年代が高いほど利用率と利用頻度が高い

2020年6月30日まで「キャッシュレス・ポイント還元事業」として対象加盟店で利用すれば数%還元されます。そこで、2019年10月1日以降にキャッシュレス・電子決済などを利用したことがあるかどうかを尋ねました。全体では「利用したことがある」が74.2%「利用したことがない」が25.8%で、利用したことのある方が大多数でした(図9)。年代別に見てみると、年代が高いほど利用率が高い傾向にあります。また、年代が上がるにつれ利用頻度も上がる傾向にあります(図10)。

201911_調査図9201911_調査図10

キャッシュレス・電子決済の利用率が一番高いのは「東北」、利用頻度が一番高いのは「関東」

エリア別にキャッシュレス・電子決済の利用状況と利用頻度を見てみると、利用率が一番高いのは「東北」で80.0%(図11)、利用頻度が一番高いのは「関東」となりました(図12)。

20191217_調査図11 20191217_調査図12

キャッシュレス・電子決済を利用した理由は「ポイントが付与・還元されお得だから」が第1位で82.9%

キャッシュレス・電子決済を利用した理由としては、第1位が「ポイントが付与・還元されお得だから」で82.9%、次いで「支払う際にお金を出さなくて良いから」が54.0%となりました(図13)。キャッシュレス・ポイント還元事業の期限は、2020年6月まで。それ以降は事業者が独自に行っている還元自体は残りますが、還元事業としては終了するので、第1位となった「ポイントが付与・還元されお得だから」という利用理由や利用率がどう変わるかに着目したいと思います。。

201911_調査図13

電子マネー・スマートフォンで利用したことのあるキャッシュレス・電子決済のサービスは、第1位が「PayPay」で43.2%

利用したことのあるキャッシュレスの手段については、「クレジットカード」が84.3%と大多数でした(図14)。スマートフォンでのアプリを使った決済などはまだ4割程度にとどまっているという状況です。また、電子マネー/プリペイドカード、スマートフォンなどでキャッシュレス・電子決済をする際に利用したことのあるサービスとしては、第1位が「PayPay」で43.2%、第2位が「WAON」で30.6%、第3位が「nanako」で27.7%となりました。年代別に見ていると、20代・30代では「PayPay」が1位、40代では「WAON」が1位でした。

201911_調査図14

201911_調査図15

今回は、消費税の増税に伴い、幼保無償化やキャッシュレス・ポイント還元事業など子育て世帯にどのような影響があったかを明らかにするために調査を実施しました。中には、「幼保無償化やキャッシュレス・ポイント還元事業についてよく理解していない」という声もありました。今後も引き続き、コズレは、子育て世帯に関連する施策やサービスなどについてもより分かりやすく説明・紹介をしていけるよう、「子育ての喜びをもっと大きく!」という想いをもって子育て世帯への情報発信を行なってまいります。

本調査の詳細レポート、及び子育てマーケットに関する各種調査・コンサルティング・広告メニュー等についてご関心をお持ちいただいた場合にはお気軽にお問い合わせください。 (コズレ子育てマーケティング研究所 増田)

【出典の記載についてのお願い】

調査結果を利用する際は出典を記載してください。出典の記載例は以下の通りです。

出典:「増税とキャッシュレスに関する調査(株式会社コズレ)」(http://www.cozre.co.jp/blog/2900)(http://feature.cozre.jp/

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